日時 | 2015年1月25日(日) 14:30-19:00 |
会場 | JOASホール |
参加者 | 11名 |
こんにちは。年内第1回の活動になります。今回はいつもと同程度の人の集まりになってくれました。
個人発表1 「折り紙創作におけるヒューリスティックスの実例」
発表者:大内 康治
【要旨】
前回の発表では、折り紙創作の困難さとヒューリスティックスの重要性について議論した。
本発表ではヒューリスティックス(あるいは小ワザ)の実例を、発表者の作品・創作経緯から抽出して紹介する。
小ワザとしては様々なものが考えられるが、今回は
・全体的な戦略
・便利なパーツ
・辻褄合わせ
の3つに着目して紹介する。
【発表を終えて】
自分の作品群をいくつか紹介しながら、それらの構造上の特徴や出来上がりまでの経緯を説明しました。自分のスタイル・作風といったものを意識したことはあまりないのですが、「仕上げの折りを排除したがる傾向がある」、「大まかな形から造り込まずに、カドの長さを意識した構造で直接的に目的の形状を得ようとしている」といった指摘を討論で受け、自身に対する認識を改めるきっかけになりました。確かに、発表の中で言及したことは折り線構成に関するものばかりですし、仕上げ段階の折りを重視した経験があまりありません。この発表で試みた「知識の共有」を積極に行うことで、そういった自身の不足を補ったり他者の発展に貢献したりできるはずですから、本会の活動を通して実践していきたいです。
個人発表2 「『シンプル作品』創作練習法構築のための予備的考察」
発表者:堀口 直人
【要旨】
本論は、需要が多いにもかかわらず不得手と言われる若手創作家が多く、また設計法などの創作支援システムのない「シンプル作品」の創作練習法構築の前提となる理論の検証を目的とする。本論では折り紙創作を完成イメージと折られた紙片との相互錬成過程と定義する。するとシンプル作品創作の困難性とは、折る能力でなく完成イメージ能力にも依ると考えられる。今回はこの仮説を検証するため、シンプルな完成イメージを事前に与えて創作させた群とそうでない群の作品を造形・構造・工程の観点から比較した。
【発表を終えて】
今回この報告のために、16名もの知り合いが作品を創作してくれました。協力して下さった皆さんありがとうございます。「シンプルさ」を統計的に測るための指標がうまく作れず、「シンプルとはなんぞや?」という議論の難しさを改めて痛感しました。
せっかくの貴重なデータを生かし切れたとはいえませんが、後の自由時間で、早速このデータを自分の研究に応用している人がいたので、今後も使い倒せればと思います。
今後は「気軽にできて創作の役にも立つ(かもしれない)遊び」にまとめていけたらいいなと考えています。
発表時間の後は、折り紙本や持ってきた作品を見ながらの、自由討論を行いました。
次回の勉強会は2月21日もしくは22日に行う予定です。
[poll id=”1″]
「第16回若手創作家勉強会 活動報告」への1件のフィードバック